100万回生きた猫

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びんかん君

あ、これは知ってるぞ

どんかん先生

有名だしね

1977年に出版され、今やどこの本屋さんの絵本コーナーにも置かれている超傑作ベストセラー本となっております。

普段絵本を読まない方もどこかでタイトルくらいは聞いたことはあるのではないでしょうか。

名作の多い絵本の中でも特に「泣ける絵本」として大人からも支持されている有名な本作について、中田敦彦のYouTube大学で取り扱っていましたので感想も含めて紹介していきます。

「100万回生きたねこ」
佐野洋子著
講談社

不思議なタイトルから始まり、意外な展開に向かっていく良くできたストーリーになっておりますので、絵本に興味が無いという方も是非一緒に楽しんでいきましょう。

目次

100万回生きた猫

物語の主人公であるこのトラ猫は
なんと
100万回も生まれ変わりを繰り返している猫でした。

びんかん君

あのフリーザが望んだ永遠の命を最初から持っているだと……なんてチート能力!

100万回の人生で100万人の飼い主たちから愛され、猫が亡くなるときは全員涙を流して泣きました。

しかし……ねこは一回も泣きませんでした。

何か満ち足りないものがあったのかと
思わせる一文ですね。

転生を繰り返した過去

あるときは王様に飼われる猫。戦中に流れ矢に当たって猫は死んでしまいました。

あるときは船乗りに飼われる猫。船から落ちて猫は死んで死んでしまいました。

手品師、泥棒、老婆、少女……

このように猫は何度も転生を繰り返し100万人の飼い主たちと共に暮らしました。

飼い主になった人たちはみんな猫のことが大好きでしたが、

猫は飼い主たちのことを大嫌いでした。

びんかん君

これなに?ホラー系?
エドワードゴーリーみたいな怖い話?

野良になる

あるとき猫は誰の猫でもありませんでした。

つまり誰にも飼育されていない
「野良猫」として生まれたのです。

嫌いな飼い主はいない
いるのは大好きな自分だけ。

自由を得た猫は喜びました。

他の野良猫たちに100万回転生した話を自慢げに語り、いつしか人気者になっていきました。

ネズミやマタタビの差し入れも頻繁に届くほどです。

白い猫

他の野良猫たちが自分をチヤホヤする中で

その白い猫だけは違いました。

猫はやがてその自分のことを見向きもしない白猫のことが気になっていきます。

そして自慢話では振り向いてもらえないことに気づいた猫は

「そばにいてもいいかい?」と素直な気持ちを言葉にします。

やがて二人は一緒に住むことになり、たくさんの子供が出来ました。

それからの日々は猫にとってとても楽しく、もう100万回転生した話をすることはありませんでした。

そしていつしか「自分よりこの家族のことが好きなのかも」と思うようになりました。

どんかん先生

この大きな心境の変化は物語のターニングポイントだね

老い

やがて子供たちも立派に巣立ち

夫婦二人きりになりました。

猫は少し老いた白猫を見ながら

「いつまでも一緒にいたいな」と思いました。

別れとおわり

ある日、白い猫は動かなくなっていました。

猫は初めて涙を流しました。

くる日もくる日も朝から晩まで
100万回泣きました。

そして猫も白猫のそばで
静かに動かなくなりました。

そして猫は……
もう生まれ変わることはありませんでした。

びんかん君

まじか

まとめ

この作品は読む人によって感想が変わってくる不思議な本です。

100万回読めば
100万通りの感想や解釈がある。

それが名作「100万回生きたねこ」なのです。

この本の見方は本気で人を好きになるような恋愛経験の前と後では変わりますし

家族(自分の子供など)の状況によっても感じ方は変わるでしょう。

まだ幼い子供であれば「もう生き返らないなんて可哀想」という感想を持つ子もいるかも知れません。

この、「主人公が亡くなって生き返ることのない」という
一見するとバッドエンドに見える結末が何故かハッピーエンドに思える不思議

この体感がこの本を特別な本にしており、是非大人になってから読んで欲しい作品です。

「なぜもう生まれ変わることはなかったのか」という疑問も

  • 本当に好きになった白い猫がいない世界に転生しても意味が無いと思ったから
  • 初めて涙を流す側の気持ちを知り、今までの飼い主たちに感謝することができたから
  • この長い転生の旅は命の重みを知るためのものだったから

色々な理由が考えられますよね。

どんな理由も間違いではないし、たくさんの考えがあると思いますが、今の私に一番響いた理由を紹介します。

物語内で、自分が大好きだった猫が、自分よりも大好きなものを見つけたときから猫は変わります。

100万回も人生を繰り返された猫が今回、やっと天に召されたことで、

自分よりも大事なものができる人生は自分だけを大事にする100万回の人生(永遠の命)よりも遥かに尊い

ということを教えてくれているのではないかと思います。

永遠の命を求めて争い、
そこをゴールに置くような話はよくありますが、
この物語はそこをスタートにして、「1回で終わる一生の方がいかに尊いか」ということを追体験させてくれます。
だからこそ私たちに一度しかない人生を悔いの無いように生きなくてはと思わせてくれるのです。

これはまさに大人になってから分かる魅力の一つだと思います。

びんかん君

花火は一瞬で散ってしまうからこそ美しい的な?

どんかん先生

ちょっと違うかな

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