天才を育てた親はどんな言葉をかけていたのか?

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天才が何を言ったかという偉人発言集・名言集などはよく聞きますが

その天才たちは何を言われて育ったのかという本はめずらしく、なんだか再現性がありそうですよね。

びんかん君

言われてみればそうかも

今回は偉人伝として歴史の勉強になるだけでなく、子育ての観点からも非常に学べる本書を中田敦彦のYouTube大学で取り扱っていましたので紹介・まとめていきたいと思います。

「天才を育てた親はどんな言葉をかけられていたのか?」
真山知幸著
親野智可等教育アドバイザー
サンマーク出版刊

「子供の人間性は親の言葉で決まる」と言っても過言ではありません。

「偉人」と呼ばれる歴史に名を刻んだ彼らは、子供の頃、必ずしも育てやすい子ではなく、むしろ問題児とされていた人も多くいます。そんな彼らの親は子供にどんな言葉をかけ、どんな接し方をしていたのか。

本書は偉人たちのエピソードから親としてのあるべき姿を学ぶだけでなく、教育評論家の視点から、子供への具体的な声のかけ方・接し方も指南してくれる「子供を想う全ての親に贈る、実用的子育て偉人伝」となっています。

目次

学校に行きたくない子へ

「学校へ行きたくない……」
よくあるシチュエーションですよね。

「いいからいきなさい」と親の都合で強引に押し切ってしまいそうですが、偉人たちの例を見ていきましょう。

エジソン

発明王として名高い彼は、なんと子供の頃周りから「無能」と言われていました。最終学歴も小学校中退となっています。
エジソンは授業を止めるような質問を何度もします。

  • 「1+1はなぜ2になるの?」
  • 「空はどうして青いんですか」

根本的な原理がとても気になるという子供でした。

後の彼を知っている私たちからすれば「やはり天才は違うんだな」と思うかも知れませんが、質問をされる先生たちからは「エジソンは物分かりが悪い」とされていたのです。

家の納屋に火を放つという事件のときも、何故そんなことをしたのかと問われると

「火が何をするのか知りたかった

という返答に大人たちは「あの子は頭がちょっと普通じゃない」と無能扱いをします。

そんな中、「頭が腐っている」という先生の言葉に激怒したエジソンの母親は「そんなこと言うような学校にはもう行かなくて良いです」と言いました。

周りの大人たちがエジソンを無能だと決めつける中
母親は「あなたは出来る子だから」と信じ、家で勉強を教えていきました。

当時では学校にいくのが当たり前という価値観の時代でしたので「いかなくて良い」「家で勉強すればいい」という発想は驚きです。それだけ子供を信じるという親の子供への姿勢が偉大な発明家を作り上げたのかも知れません。

森毅

日本でも有名な数学者である森毅は中学校のときから学校をサボり始めます。

そんな森毅を見て父親が言います。

「休んでも良いが、休んだ日は学校へ行くよりも充実した一日を過ごしなさい」

そんな言葉を裏切らないように森毅は、休んだ日は昆虫採集をしたり、夜遅くまで勉強したり充実する為の努力をします。

そんな息子を見て更に父親は

「落第をしないようにコントロールしながら休みなさい」

と、ますます信頼して任せてくれるようになります。

教育評論家の視点から

どんかん先生

まずはやってしまいがちなNG行動を説明していくよ

学校へ行かなければいけないという前提ありきの会話はコミュニケーションになりません。行きたくないという言葉に何か重大な理由が隠されていた場合に気づくことができなくなってしまいます。特にイジメなどの場合は親に隠すケースが多いことを頭に入れておいてください。

いきたくない理由などに「あなたが悪いんでしょ」という頭ごなしに子どもを否定してしまうことのないようにしてください。頭ごなしに否定されたら会話したくなくなります。

かといって「だったら○○すれば良いじゃない」と安易にアドバイスもやめてください。アドバイスとは処方箋です。あなたは診察をしっかりとしない医者から出た薬を安心して飲めますか?

びんかん君

じゃあどうすれば良いの?

それは、共感と観察です。

まずは「そういうときもあるよなあ」
共感したうえ

「なんでこうなっているんだろう」
子供をよく観察してください。

どんかん先生

エジソンのお母さんも、この子は「変な子」ではなく「科学に興味があるんだ」と観察したからこそ才能に気付けたんだ

自信が持てない子へ

人生経験を積んでくればついてくる自信も、子供の頃はなかなか持てないものですよね。

さっそく偉人たちの例を見ていきましょう。

アガサ・クリスティー

「オリエント急行殺人事件」や「そして誰もいなくなった」などの代表作で知られるミステリー作家である彼女はなんと、小説を書く自信がなかったというのです。

小説家になりたいという夢を10個も上のお姉さんに「なれるわけがない」と言われ自信をなくします。

そんな彼女を見ていたお母さんが

「できるわけないに決まっているなんて事はないわよ。だってあなたはまだ書いてみた事がないのだから

と言い、今日からでも書いて良いのだとノートを買い与えたのです。

ユング

心理学者であるユングの幼少期は病気がちで体が弱い子でした。

そんなある日療養明けのユングは父親と旅行に出かけます。
着いた場所は登山で有名な村でした。

父親と一緒に登山をするのかなと思っていたユングに父親は
「君なら一人で山頂に行ける」とユングを信じ一人で登山をさせたのです。

その日山頂で見た景色は一生忘れることはなかったと言います。

今まで自分の体に自信がなかったユングにとって人生で忘れられない一日となりました。

教育評論家の視点から

これらの例から

  • アガサ・クリスティーの「あなたは書ける」
  • ユングの「君なら登れる」

どちらも根拠なんてありません。大事なのは「子供を信じる」という気持ちです。

親が子供に対して大事なのは根拠なく信じること。実績なんてない。未来なんて見えない。だからこそ信じてあげるのです。「あなたならできる」「きっと大物になる」これらを何度も言うことが効果があると言います。

誰に信じてもらえなくても親であるあなたに信じてもらえたということが子供にとってとても大きな自信になっていくのです。

進路に悩む子へ

学校を卒業し、親から飛び立つまさにそのとき出てくるのが進路の問題ですよね。
そんな進路で悩む子供にいったいどのようにすれば良いのか。偉人たちの例を見てみましょう。

手塚治虫

「鉄腕アトム」「ブラックジャック」「火の鳥」などたくさんのヒット作を持つ
誰もが知っている漫画の神様です。

そんな彼はなんと、医師国家試験も受かりながら漫画家になったという二つの才能を持つ男だったのです。

当時は今と違い漫画=低俗なものというイメージがあった時代において、大好きな漫画を描くことを応援してくれた母が、進路を医師か漫画家かで悩んでいる彼に言いました。

「医者と漫画どっちか好きなの?」

そして漫画が好きと答えた彼に漫画家の道を勧めます。

「好きなものをやりなさい。あなたの人生はあなたのものなのだから」

これ、あなたが親なら出来ますか?

びんかん君

普通なら、安定して高収入な医者の道を勧めたくなるよね

アンデルセン

「マッチ売りの少女」「裸の王様」「みにくいアヒルの子」などで知られる童話作家のアンデルセン。

彼は、若い頃まだその才能を見つけられずにただ漠然と「有名になりたい」「何者かになりたい」と夢を追いかける青年でした。何をして良いか分からずに手当たり次第に芝居や歌を習いますが上手くいきません。周りからは普通の定職に就いた方が良いと言われます。

悩む彼に父親が言います。

「気の進まない道を無理をして選ぶことはない。本当になりたいものが見つかったらそれになりなさい」

人生は長いのだから焦る必要はないと言ってくれた父親のおかげで
その上手くいかないお芝居や歌を続け、後にお芝居の脚本を手掛けたときにその才能を見つけられて作家になっていくのです。

彼が何者であるかは人生の後半に見つかったのです。

教育評論家の視点から

これらの例から

親が道に迷う子に対して大事なこと

それは「指示なき応援」です。

「こうした方が良いのに」「ああした方が良いのに」と自分の経験を分け与えてやりたくなります。そして近道や禁止事項など口を出して指示を出したくなります。

「子供の人生は子供のもの」です。親のものではありません。

あなたは子供の「監督」になって指示を出してはいけません。

あなたは常に子供の「サポーター」であるべきです。

サポーターの応援する声が届くと選手は勇気が出ます。だからこそホームゲームは勝ちやすいと言われています。

びんかん君

たしかに。指示を出すサポーターがいたら地獄だな

ついつい指示をしたくなってしまいますが、この「指示なき応援」が出来れば子供はものすごく伸びると言われています。

なかなか結果が出ない子へ

やったことに全て結果がついてくる訳ではありません。むしろ結果が出ないことの方が多いと言えます。「迷走」「停滞」「挫折」これらが大半を占めているのが人生です。ここでは若い時なかなか結果が出なかった偉人たちの例を見てみましょう。

カエサル

古代ローマの英雄と呼ばれるカエサルであっても

若くして活躍していたアレクサンドロス大王の戦歴と、まだ活躍できていない今の自分の年齢を比べ悩んでいたというのです。

どんかん先生

活躍している人が年下だと気付いたときのあの感覚……

びんかん君

マスオさんが年下だったと知ったときのショック……

そんなカエサルが主軸を握りだしたのは40代。

ここではそんな英雄カエサルも結果が出ずに悩んでいたということを覚えておいてください。

ダーウィン

びんかん君

妻にたくさんの子供を産ませたでお馴染みの笑

「種の起源」ダーウィンの進化論で有名な博物学者であるダーウィンは

元々医者になるはずでしたが、血が苦手で挫折しました。

医者の次は牧師を目指しますが、神学部の授業をサボりだしてしまいます。

医者もダメ、牧師もダメとなり、落ちこぼれと言われた彼は昆虫採集に興味を出し、ガラパゴス諸島である事に気づきます。生物はその環境に合わせて進化しながら変化していくものでは?そして人間もそうだとしたら?それが結果として世界を驚かせる進化論になっていくのです。

ですがこの発表は30代半ばの話で、それまではおちこぼれと言われていたのです。

教育評論家の視点から

この最終的には大成するも、なかなか結果がでないという例を見ましたが

長い人生で挫折や上手くいかないことは当たり前です。

だからこそ自己否定しないでください。

子供の現状をあるがままに肯定するのです。

そのときにかけるべき魔法の言葉

「がんばってるね」
結果が出ていないとしても、その頑張っているところを見つけてその努力の肯定

「ありがとう」
結果が出ていないとしても、感謝を伝えることで役に立ったとその行動を肯定

「大好きだよ」
結果が出ていないとしても、あなたがいるそれだけで良いというその存在を肯定

このように肯定をすることで子供また一歩踏み出せるのです。

まとめ

どうでしたか?

本書の内容は非常にシンプルなよくある親子の悩みの中でシチュエーションごとに紹介・解説されており、今の自分に当てはまることや、参考になる内容もあったのではないでしょうか。

どんかん先生

「観察のない安易なアドバイスはダメ」という話などは上司と部下の関係にも役立ちそうな内容だったね。

特に印象深いのは子供の存在自体を肯定する「大好きだよ」という言葉です。

他の本ですが「子供に親が教えることは一つだけで良い。それは子供を愛していると伝えることだ」という名言を聞いたことがあり、本書の内容と合わせてそのとおりだと思いました。

「監督ではなくサポーターであれ」ということも分かってはいても、親としてはよくやってしまうということも多々あったかと思います。

なかなか完璧な親になることが難しい中で、もし出来ていないことがあったとしても決して悲観的になる必要はありません。

「そんな完璧な親になんてなれっこない」と思ったあなたは

アガサ・クリスティーの母親の言葉を思い出してください。

「そんな完璧な親になれっこないって誰がいったの?なれないに決まってる訳ないじゃない。まだなっていく途中なのだから

びんかん君

また上手くまとめたな

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