孫子?なんか昔の兵法書でしょ。
言っとくけど今は令和だよ
侮らないでね。孫子は
あの孫正義、ビルゲイツの愛読書なんだよ
そうなの?興味出てきた
今回はそんな孫子の兵法について大好きなYouTubeチャンネル「中田敦彦のYouTube大学」で取り扱っていたので紹介していきます。
現代のビジネスシーンにおいても活用できる内容となっていますので一緒に勉強していきましょう。
はーい
そもそも孫子って?
孫子とは紀元前700年古代中国(春秋戦国時代)において思想家の一人である孫武が作った戦いに勝つ為の兵法書です。
春秋戦国時代?ああ、キングダムの時代か
その後の三国時代にあの有名な曹操が注釈を加えたりしながらその後の長い中国の歴史の中でずっと読まれ続けてきたのです。日本では唐の時代に伝わり、後に武田信玄、徳川家康などの有名な戦国武将にも愛読されたというから驚きです。
歴史の勝者たちに愛読されてきた「孫子」
いったいどのような内容なのでしょうか
内容的には非常に短く漢文6000字程度
構成は13編に分かれています。
- ①~⑦
大局的に戦いを分析している戦略パート - ⑧~⑬
実践的に取るべき選択を記載している戦術パート
ストーリー風ではなく
「○○のときには○○すべし」のように
物事を端的に表しており、これらをいかに解釈して自分の中に取り込めるかがポイントとなっています。
戦略パート①~⑦
孫子における大事な部分はこの戦略パートにつまっているよ
①計(開始前が大切)
戦力を比較・検討することの重要性とその方法。勝敗は予測できる。
兵は詭道なり
ゆえに能なるもこれに不能を示し、用いなるもこれに不用を示し…
意味:戦いは敵を欺く事。できることをできないように見せ、できないことをできるように見せる。そういった虚実の駆け引きが戦いの本質であり相手の裏をかくことで弱者が強者に対峙したり、勝てる戦いに持ち込むのが兵法ということ。
力だけでなく頭を使うことが大事なんだな
②作戦(お金の使い方が大事)
戦いは勝利を第一に考え、長期化を避ける。戦いは消耗戦だから敵の物資や兵を自軍に組み入れていくべきである。
敵を殺す者は怒なり、敵の貨を取る者は利なり
意味:敵を殺すのは怒りの感情にしかならないが兵士に敵の財貨を奪い取らせるのは利益になる。
現代版に例えるとM&Aかな。相手を倒すことだけでなく、自社に取り込んでそのリソースやノウハウを吸収するのも成長戦略の一つ。
③謀攻(戦うより作戦)
用兵は戦わずして勝つのがベストで、それができない場合は、敵味方の実情を把握したうえで優位な状態を作り出し、敵を倒す。
彼を知り己を知れば百戦危うからず
意味:自分だけでなく相手の実力や現状を把握することで負けることはない。
この「勝てる」ではなく「負けることはない」とは負けない事が大事で勝つことを急いだら危ないという意味も含まれているんだよ。
戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり
意味:戦える状況であっても調略などで戦わずに目的を達成できるのであればそれが最善。
上兵は謀を伐つ、その次は交を伐つ、その次は兵を伐つ、その下は城を攻む
意味:最善は相手が何をしたいか知り謀で潰すこと。
それが出来ないのであれば相手の味方(同盟)をなくし孤立させること。
その次が実際に相手と戦うこと。
最悪なのは相手に有利である城を攻めに行くこと。
④形(守りを固めて待つ)
真の戦上手とは勝ちやすい状況で勝つべくして勝つ。敵味方の数や能力を算出して比較し、勝敗を予測しなければならない。
勝つべきは敵にあり
意味:勝てるかどうかは自分ではなく相手にある。
無理に攻めるのではなく相手が崩れるのを待ちましょうということだよ。
⑤勢(個人よりチームで戦う)
優れた兵法家は兵士個々人の力を求めず、軍全体の勢いを求める。戦いの中では軍の勢いがポイントになる。
⑥虚実(敵を操る)
相手の裏をかき、敵の手薄な部分を攻撃する。戦いは相手の態勢に応じて臨機応変にしなければならない。
兵の形は水に象る。水の形は高きを避けて下きに趨く。兵の形は実を避けて虚を撃つ
意味:兵の形は水のように変化するべきで、相手が構える実の部分(守りの硬いところ)ではなく相手の弱点を突くことが大事。
⑦軍事(早く仕留める)
本国を発して敵と対峙するまでの軍争が一番難しい。軍争を制する者が「地の利」を制する。
調査や準備を整え、調略などでなるべく戦わないようにしたうえで、いざ戦うとなったら素早く仕留めることが大事。
風林火山
疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し、知りがたきこと陰の如く、動くこと雷霆の如し…
意味:動くべき時には迅速に。そうでない時は静観する。といったように時機や情勢など状況に応じて柔軟に・適切に対応するようにという戒め。
武田信玄の旗で有名だよね
窮寇には迫ることなかれ
意味:追い詰められた敵は必死に抵抗してくるので思わぬ損害を受けることになるから窮地に追い込んだ敵を攻撃し続けてはならない。
ビジネスにおいても完全に相手を追い詰めるのではなく、相手に逃げ道を用意しておくことで想定外の損害を回避できるよね。
戦術パート⑧~⑬
後半はさらっと紹介だけにしとくね
⑧九変(9パターンの状況)
戦う場所によって9つの対処法があり、指揮官には5つの危険が潜んでいる。
⑨行軍(行動と偵察)
行軍・布陣には適した地形がある。組織を機能させるためには規律が大切で、法令を普段から誠実に守らなければならない。
⑩地形(環境に応じる)
地形により取るべき戦術が異なる。指揮官は敵味方の状況を分析し、地形のことを良く理解しなければならない。
⑪九地(9パターンの環境)
地形の違いは主に9つあり、それぞれによって戦略は異なる。指揮官は地形毎の戦略と軍の分散・集中を熟知し、兵を一つにまとめて決死の覚悟を持たせるようにしなければならない。
呉越同舟
意味:敵同士でも同じ船に乗せたら手を取り合う。
仲が悪い者同士も同じプロジェクトのチームにして共通の敵を作ると上手くいくことがあるんだよ。
⑫火攻(開戦は慎重に)
火攻めには五種類あり五通りの変化がある。戦いは消耗戦ということを理解して利益を得られるときのみ兵を動かし決して感情で戦ってはいけない。
⑬用間(スパイを使え)
敵情を知る為の出費は惜しんではならない。抜きんでた知者のみが優れた人物をスパイとして使いこなし、覇業を成すことができる。
まとめ
凄すぎるがゆえに長年アップデートがされていなかった孫子は
ナポレオンの戦術書の出現と共に歴史から一旦影をひそめていきます。
日本においても幕末~明治時代辺りから近代化が進み、西洋式の戦術を用いた戦い方が主流となり孫子は古い考え方という認識となってしまいます。
ところが、世界大戦のように戦勝国も敗戦国も疲弊した状況や、戦場にならなかった米国の台頭などが孫子の教訓をまさに表しており、現代において再び注目されるようになったのです。
どうでしたか?
もっと必勝法とかが書いてある本だと思ってたよ
戦いに勝つ兵法書と言いながら
- いかに戦わずして勝つか
- 戦いに負けず生き残っていくか
がメインになっているのです。
孫子は勝つことではなく負けずに次に繋げていくにはどうすれば良いか、弱者でも強者相手に戦い続けていくにはどうすべきかにフォーカスしています。
そして人間関係の戦略本でもあるので現代のビジネス書としても役に立つのです。
いくら昔と言っても相手は人間だからね
参考になることはたくさんあるはずだよ
とても勉強になりました。
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